院長あいさつ

虹クリニック院長
佐藤 卓

どうしてうまくいかないのか?
理由が分かれば、
むしろ大きなチャンス。

ヒトの妊娠・出産とは、実はとても難しいものです。健康なカップルの受胎率、つまり月経あたりで妊娠と出産に至る確率は、20%程度です。マントヒヒでは、その8割が妊娠・出産に至るのに対して、これはヒトの生殖の複雑さを示す事実と言えます。これに基づけば、半年間の”妊活”で妊娠・出産に到達できないカップルは、およそ3割に及ぶことになります (健康なカップルの場合でも!)。

その難しさを理解したならば、先ずあせりは禁物です。
無用なあせりは、かえってネガティブな効果をもたらしかねません。カップルのいずれかに明らかな問題があり、もしも治療可能なものと分かれば、それはむしろチャンス到来です。

排卵と月経の乱れは、多くは薬剤の使用で克服が可能です。男性側に原因のある場合は、体外受精の実施の提案に先立って、いくつかの選択肢を提案できるかも知れません。

しかしながら、初めてお会いしたカップルが、妊娠しやすい(しにくい)のかを直ちに予見する方法は今尚ありません。さらに、現在のこの分野においては、非常に多くの検査・治療の選択肢が提案されておりますが、実はその多くには、実施を妥当とするだけの十分なデータがありません。

溢れる情報の中から必要な情報を正しく抽出することは、通常は容易ではありません。私たちの考える検査と治療について、ぜひとも話を聴きに来て頂けたら嬉しいです。

お二人のお役にたてますことを、スタッフ一同が心から願っております。

2020年4月15日
佐藤 卓

虹クリニック院長 佐藤 卓

虹クリニック院長
佐藤 卓(さとう すぐる)

2002年岩手医科大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部産婦人科学教室に入局。主に慶應義塾大学病院産婦人科にて「生殖医学」および「臨床遺伝学」、特に「着床前遺伝子診断遺伝子検査」の診療と研究に従事。卵管鏡手術のための機器開発にも携わる。

日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医
日本生殖医学会生殖医療専門医(代議員)
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(評議員)
日本受精着床学会(評議員)