がん治療に取り組む前に

妊孕性温存(にんようせいおんぞん)

妊孕性温存療法について
(にんようせいおんぞんりょうほう)

生殖能力を有する年齢にあるがんや自己免疫疾患の患者さんは、化学療法や放射線暴露により、治療後に性腺機能が著しく低下あるいは消失し、その結果不妊となるケースがあります。これらの治療前に、未受精卵子または胚・受精卵を凍結・保存しておくことで、将来に希望された際に、体外受精-胚移植の技術を用いた妊娠・出産の可能性を残すことを妊孕性温存療法といいます。

採卵や胚移植によって原疾患が悪化・再発することは考えにくく、安全な方法といえますが、卵子を体外に採取するまでに主治療の再開を待期する必要が生じます。そのため、がんおよび自己免疫疾患を治療する主治医の判断に基づき、治療の妨げにならない範囲に限って卵子・受精卵凍結を行うことになります。胚移植は原疾患の寛解後、妊娠出産に耐えられる状態であると判断される場合に考慮されます。

実施の適応について

  • がんおよび自己免疫疾患(以下、原疾患)の治療により卵巣の機能が低下することが予想され、妊孕性温存療法を行うことが患者さんの妊孕性温存と、原疾患の実施に著しい不利益とならないと判断される方を対象に行います。
  • 妊孕性温存療法を行うにあたっては、原疾患の状態・予後など、本方法を行うことが原疾患治療に及ぼす影響を把握するため、原疾患の主治医から患者さんに文書によって適切な情報提供と説明を受けていることが必要です。
  • 妊孕性温存療法を行うにあたっては、原疾患の主治医と生殖医療担当医(虹クリニックの医師)が治療に関する情報を書面にて共有し、本方法を行うことができるかについての考えを共有する必要があります。
  • 当院では16歳以上を対象年齢としております。

対象となる疾患

  • 化学療法および放射線療法を要する疾患(乳がん・骨肉腫・ホジキンリンパ腫・SLEなど)
  • 早期卵巣機能不全(化学療法および放射線療法を行ったことで早発閉経および将来的に早期閉経になるリスクが高いとされる症例)
  • 原疾患の主治医の依頼例(乳がんなど)
  • がん及び自己免疫疾患に対する治療前あるいは治療初期の例

当院で行う治療の流れ、排卵誘発~採卵(受精~培養:既婚者の場合)・凍結・胚移植については虹クリニックの体外受精のページをご参照ください。

妊孕性温存療法をご希望の方へ

原疾患の主治医より紹介状を取得していただき、当院へお電話ください。
お電話の際「妊孕性温存(にんようせいおんぞん)を希望しています」とお申し出ください。
まずはご受診いただいた上で医師・看護師よりくわしい説明をさせていただきます。

当院は、東京都若年がん患者等生殖機能
温存治療費助成事業の指定医療機関です

初診について
月~土 11:00~15:00
上記以外のお問い合わせ・ご予約変更
月~土 10:00~16:30

03-5335-6577

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