不妊治療の30%の原因「卵管性不妊」の治療

卵管鏡下卵管形成術

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再開の際は、当HP上にてお知らせいたします。

卵管鏡下卵管形成術

卵管鏡下卵管形成術は、女性の卵管に何らかの問題をもつカップルに対する治療法として開発されました。
現代ではこの分野のメインストリームともなっている体外受精関連技術に対する選択肢として、非常にユニークな手術の提案が可能となります。

いわゆる「不妊症」のカップルの原因には、男性側に原因があるものが35%を占めております(図1)。

また、女性側の、特に卵管に原因するものが同等数に存在すると言われております。卵管は、卵巣に由来する卵子と、膣内・子宮を経て侵入する精子とが出会い、受精卵となるための重要なチューブ状の臓器であり、その通り道として知られています。しかし、細菌感染症などで炎症を起こした際には、その治癒する過程で組織が閉塞する変化を起こすことが指摘されてきました。

図1:“不妊症”の原因の内訳

図1:“不妊症”の原因の内訳

現代では、卵管に問題のあるカップルに対する標準的な対応として、体外受精が広く提案されています。
卵管のみならず、その他の要因をもつカップルにとって、体外受精が極めて有用であることには疑いようがありません。

しかし、卵管鏡下卵管形成術には、体外受精の実施を避けたいカップルには大きな役割を果たす可能性があります。

卵管の閉塞部位に向けて、水圧により拡張させた直径1.2mmの風船状のカテーテルを伸長させ、閉塞部位を愛護的に拡張・閉塞を解除させます(図2)。同時に、バルーン・カテーテル内に搭載した、0.6mmもの、最小の内視鏡が卵管内の観察を可能とします。これにより、卵管内のコンディションに関する多くの情報を得ることが可能となり、その所見に基づいて、術後の治療戦略にも大きな幅を持たせる効果が期待できます。手術は日帰りでの実施が可能であり、疼痛を伴う子宮卵管造影よりも少ないストレスを感じる方も多いようです。

図2:バルーン・カテーテルの伸長

卵管内に癒着を生じている部位に向けて、カテーテルを伸長させます。

癒着等の閉塞機転を解除します。

FTを行った場合の卵管通過性回復成績は、子宮から10cm以内の卵管通過障害に対しては、治療した卵管あたりで97%の回復成績を得ています。

この手術は保険収載されています。かつ高額医療の申請を頂くことで、収入に応じて医療費をご負担頂きます。これは、高額な体外受精の実施に躊躇している若いカップルにとっては、強力なツールとなる可能性があります。

私は、慶應義塾大学医学部産婦人科学教室にて、この技術の開発者のグループに所属し、年間で50~70の事例に対して手術を実施して参りました。また、機器の改良に参画する中で、その特性についての理解を一層深めることが出来ました。杉並区にお住まい方はもとより、さらに多くの患者様に、この画期的な手術を提供して参りたいと思います。

卵管鏡下卵管形成術(FT)をご希望の方へ

卵管鏡下卵管形成術(FT)が適応になるかどうかは、子宮卵管造影検査の所見にもとづいて判断されますので、まずは子宮卵管造影検査を行います。診療の流れについてはこちらをご覧ください。
また、他院において卵管の閉塞が指摘された方は、紹介状(診療情報提供書)と画像データをご用意の上、初診のご予約をお取りください。

なお、FTは保険診療ですので、高額療養費制度が適用になり、費用を抑えることができます。高額療養費制度については、こちらをご覧ください。

初診について
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