費用について

高額療養費制度について

高額療養費制度について

高額療養費制度とは、健康保険を使って病院にかかり、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担分が一定の額を超えた場合、その超えた金額が払い戻される制度です。

通常はマイナンバーカード(または保険証)を提示することで原則として3割が自己負担となります。よって1万円かかる治療をしたときに、患者さん自身が窓口で支払う自己負担の金額は3000円で済みます。しかし治療費が高額の場合、たとえばひと月に100万円の治療費がかかった場合は自己負担だけで30万円になってしまいます。そういった場合に、収入に応じて負担額を少なくする救済制度が「高額療養費制度」です。

高額療養費制度を利用することで、一定の金額までは3割負担ですが、それを超えた分は1%の負担で済むようになります。この金額を「自己負担限度額」といい、収入に応じた「区分」が定められています。たとえば当院で行うFT(卵管鏡下卵管形成術)は保険適用の手術となるため高額療養費制度の対象となります。2022年4月より保険適用となった人工授精、体外受精・顕微授精でのご利用も可能です。

また医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、加入している医療保険から事前に「限度額適応認定証」を発行してもらうことにより、窓口での支払いを負担の上限額までにとどめることができます。

収入に応じて以下のア~オの区分があります

区分 自己負担限度額(月額) 社会保険の方(会社員の方) 国民健康保険の方(自営業の方)
252,600円(842,000円の3割)
+(医療費-842,000円)× 1%
標準報酬月額83万円以上
(年収 約1,160万円超)
年収901万円以上
167,400円(558,000円の3割)+
(医療費-558,000円)× 1%
標準報酬月額53万円~79万円
(年収 約770万円~1,160万円)
年収600万円~901万円
80,100円(267,000円の3割)+
(医療費-267,000円)× 1%
標準報酬月額28万円~50万円
(年収 約370万円~770万円)
年収210万円~600万円
57,600円(192,000円の3割) 標準報酬月額26万円未満
(年収 約370万円未満)
年収210万円以下
35,400円(118,000円の3割) 住民税非課税の方

※マイナンバーカード(または保険証)が「本人」の場合はご本人の収入、ご主人の扶養の場合はご主人の収入となります

例:

1か月の総医療費が100万円で自己負担限度額が“区分ウ”の場合

高額療養費制度を利用し事前に限度額適用認定書を取得・提示すると
→ 80,100円 +(1,000,000円-267,000円)× 1%
=87,430円

※限度額認定書を事前に取得・提示されなかった場合は自己負担全額の30万円(100万円の3割)を窓口でお支払いいただき、その後ご加入の健康保険組合から払い戻しを受けることとなります

FT(卵管鏡下卵管形成術)では手術にかかる医療費が片側を治療する場合で約47万円、両側を同時に治療する場合は約94万円であり窓口での自己負担額は、片側約14万円、両側約28万円となります。区分ウに該当する方が限度額認定書を取得し提示するとそれぞれの負担額は、片側約8万2000円、両側約8万7000円となります。

高額療養費制度の利用(限度額認定書の取得)はご自身が加入している医療保険に申請する必要があります。
社会保険に加入している方はお勤め先または加入されている健康保険組合へ、国民健康保険に加入している方は各市町村の健康保険課にお問い合わせください。