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一般治療

タイミング指導

排卵のタイミングに合わせて夫婦生活をもっていただく方法です。自然排卵による方法と排卵誘発剤を使用する方法があります。

自然排卵によるタイミング指導

基礎体温表より、普段の排卵推定日(低温相と高温相の境界付近)の1-2日前に受診していただきます。

  1. 超音波検査で卵胞(卵子の入った袋)の大きさと子宮内膜の厚さを計測します。排卵が近づくと、卵胞の大きさは18-20mm位になり、子宮内膜はその厚さが10mm前後になります。
  2. 子宮頸管粘液量を調べます。子宮頸管粘液は、排卵が近づくと増量します。
  3. 尿中LH(黄体化ホルモン)のチェック。ご自宅で尿を用いた排卵時期の予測方法も併用していただきます。LHは排卵が近づくと一過性に急激な増加を示し(LHサージ)、その約36時間後に排卵する確率が高くなります。この変化を把握することで、精子と卵子の受精する確率を高めます。
  4. ※ クリニックで、ホルモン検査を行い、排卵時期を特定することもあります。

排卵誘発剤を用いたタイミング指導

1.クロミフェン(内服薬)を用いる方法

当クリニックを受診する前に1年間位、基礎体温や尿を用いた排卵検査薬で排卵のタイミングに合わせて夫婦生活をして妊娠にトライされて来たご夫婦や子宮卵管造影検査で卵管が片側しか通過していなかった方には、排卵誘発剤の内服薬(クロミフェン)を用いたタイミング指導を行うことがあります。
クロミフェンを用いると卵胞が2個以上は発育することがあり、排卵する卵の個数が1個の場合よりも妊娠する確率が上がり、通過している卵管側の卵巣から排卵する確率も上がります。

クロミッドの副作用
多胎妊娠 クロミフェンを用いると2個の卵が排卵することが時々ありますが、3個以上排卵して品胎(三つ子)以上の多胎が発生することは殆どありません。
催腫瘍性 クロミフェンに限らず、排卵誘発剤の使用により、将来的に(20−30年位後に)ホルモン産性臓器腫瘍、主に乳癌・子宮癌・卵巣癌になる確率が増加するという海外の報告があります。日本では同様の統計・調査を行っても上記のような影響は認められていませんが、この様な可能性は否定できません。排卵誘発剤を用いる場合には、その使用量も治療回数も過剰とならない範囲内で治療を行うことが重要と考えられます。


2.注射の排卵誘発剤を用いるタイミング指導

クロミフェンを用いたタイミング指導を2・3回行っても妊娠しない場合、注射の排卵誘発剤をもちいることがあります。

方法 HMG(ヒト閉経期尿性性腺刺激ホルモン)かFSH(卵胞刺激ホルモン)を用いて卵子の発育を促す方法です。通常は月経周期3日目から5日目に注射開始し、基本的に毎日投与します。卵子が成熟したらhCG(ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン)を注射して排卵をコントロールします。
どちらのホルモン剤を用いるかは、患者さんの年齢、卵巣の状態、ホルモン環境により決定します。
特徴 クロミフェンでは卵子が育たない場合や卵子をもっと増やしたい場合に有効です。但し、品胎以上の多胎の可能性と卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性に十分気をつけなければなりません。卵巣過剰刺激症候群については体外受精の箇所で詳しく説明しますが、排卵誘発により卵巣が過剰に反応すると卵巣が腫れたり、腹水・胸水が貯まることがあります。
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人工授精

(IUI:Intra-uterine Insemination、AIH:Artificial Insemination with Husband)

人工授精とは?

ご主人の精液あるいは精子調整液を子宮内に注入する方法です。

精液をそのまま注入する人工授精(AIH)と洗浄濃縮した精子調整液を注入する洗浄人工授精(w-AIH)の2種類があります。
適応

通常の人工授精(AIH)は、ご主人の精子が子宮内に入ることが出来ないか困難な症例に適応されます。また、不妊原因の不明な機能性不妊の症例でも適応となることがあります。当院では、主にw-AIHを行っています。

方法

外来検査で授精の日が決定したら、事前に精液採取容器をお渡しします。当日の朝にご自宅で精液を採取していただき、所定の時間に提出してもらいます。実際の授精(人工授精または治療)は、AM9:00から9:30頃に開始します。(その日の状況により、多少遅れることがあります。)所要時間は2〜3分で、強い痛みは伴いませんが多少の違和感や、つれる様な感じを受けることもあります。処置後約5分間、安静とし、お体に変わりがないことを確認してから帰宅していただきます。

副作用

通常の性交渉に比べて、若干多い精液中の細菌や白血球等が子宮内に入る可能性があり、授精後に子宮周囲の炎症を起こすことも考えられます。感染予防のための抗生剤(2日分)を内服していただきます。

治療の目安

当院の統計や日本産婦人科学会のガイドラインによると人工授精4−5回まではある程度の妊娠率(人工授精で妊娠する症例のうち約8割が5−7回までに妊娠)が期待出来ますが、それ以上の人工授精では妊娠の見込みは著しく減少します。2009年、虹クリニックでの人工授精では、妊娠される方の殆どが1−3回で妊娠されていました。従って3−5回前後の人工授精で妊娠しない場合、次の段階の治療(主に体外受精)を検討し始めることをお勧めすることが多いです。

費用
IUI(手技料・診察料) 25,000円
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体外受精・胚移植

(conventional IVF-ET)

注射の排卵誘発剤を使って複数の成熟卵を育て、体外で精子と受精させて作りだした胚を子宮内に移植する方法です。

1.卵巣刺激

採卵前に排卵を抑える目的とホルモン調整の目的で、点鼻薬(GnRHアゴニスト:ナサニール、スプレキュア)をまず10〜20日間(症例により異なります)使います。この薬は卵巣の働きを抑えて排卵させないので、副作用としては更年期障害のような頭痛・肩こり・手足の冷え・のぼせ・気分のいらつきなどの症状が現れることがあります。しかし使用日数が短いためにその症状が強くは出ないので心配いりません。超音波検査とホルモン測定により、十分な点鼻薬の効果を確認したうえで毎日の注射の排卵誘発剤を開始します。
遠方から通院される方は、注射の排卵誘発剤のみの日には、ご自宅か職場近くのクリニックで注射することも可能なので、その際は申し出てくだされば紹介状をお作りします。

[排卵誘発剤の自己注射が開始]
2010年1月から当院でも排卵誘発剤の自己注射が開始されました。
認可されているのは、遺伝子組み換えFSHのみです。
遠方の方、仕事で多忙な方などが通院時間の短縮・削減を目的に使用されることが多いようで、精神的な負担の減少も期待されています。ただし、十分な指導が必要とされ、薬剤本体が割高(従来の遺伝子組み換えFSH に比べ3-4割高い)であることがネックになっています。

2.採卵

卵を獲得するためには、膣の入口から超音波の細い器械(プローベ)を挿入し、これに装着した採卵針で膣壁を通して卵巣にある卵胞を穿刺し、卵子を含んだ卵胞液を吸引します。所用時間は5〜20分位です。
採卵時には、静脈麻酔を行いますので痛みは殆どありません。時には麻酔の影響で嘔気が強くでることがありますが、吐き気止めを十分に使えば楽になりますので心配要りません。

3.媒精

精液はクリニック内の採精室で採取していただきますが、リラックスしていただくためにご自宅で採取して持参してもらうようにもしております。その際には、専用の容器をお渡ししております。 精液を培養液で洗浄し、遠心分離器で良好な精子のみを分離します。さらにスイムアップ処理を行って良好な精子を選別し、培養液中で卵子と受精を図ります。

4.胚移植

採卵後2日目(あるいは3日目)に受精卵(胚)は、順調に発育すると4-8細胞になります。採卵後5日目には胚盤胞になります。1個の受精卵を専用のカテーテルを用いて培養液とともに子宮内に移植します。
この操作では、痛みは殆どありません。移植後30分間、ベット上で安静にして変わりが無ければ帰宅していただきます。


[移植胚数について]
移植胚の数は、多胎予防のために日本産婦人科学会で原則1ヶまでと規定されています。
胚の状態あるいは治療結果、患者年齢により1個〜2個移植する場合もあります。良好胚3個を若い(30歳前後)の患者さんに移植すると品胎(三つ子)が高率に生じます。品胎は、妊娠22-35週の時期に早産になる確率が非常に高く、その場合には赤ちゃんの呼吸障害、出血傾向が出易くなる結果、さまざまな後遺症を残す危険性があります。したがって、品胎は出来るだけ避けなければなりません。

5.黄体補充

排卵誘発の際に点鼻薬(GnRHa)を使用した場合、卵巣から黄体ホルモンが十分出ないために黄体ホルモンを補充する必要があります。補充する薬剤としては主にhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)と黄体ホルモンの2種類があり、hCGは作用が強くかつ長続きしますが、卵巣が腫れている時には増悪しますので避けなければなりません。黄体ホルモンは作用が強くありませんが、卵巣の腫れには関係ないので卵巣の腫れが強い時に用いられます。

6.妊娠判定

採卵後14〜17日位で妊娠判定を行います。血液検査でホルモン(hCG)値を調べます。また、妊娠反応陰性でも基礎体温が高温を持続し、生理様の出血も認められない場合には妊娠していることがありますので血中hCG値測定を行うようにしています。

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顕微授精

(ICSI)

細いガラス針を用いて卵細胞質膜を破って卵子の中に精子を1個だけ注入する方法です。精液所見に異常が見られる症例(乏精子症、精子無力症)、通常の体外受精では受精しない症例、抗精子抗体症例に適用します。当クリニックでは、スイムアップ検査の結果により通常の体外受精(conventional IVF-ET)を選択するか、顕微授精を選択するか決めます。 当クリニックでは2011年5月より顕微授精の方法を従来法からピエゾ法に変えました。従来法では卵細胞質膜を破るタイミング、精子を注入するタイミングが難しく顕微授精後の生存率及び受精率を引き上げるのに限界がありました。しかし、ピエゾ法を導入し、卵細胞質膜を破るタイミング、精子を注入するタイミングをコントロールすることで、顕微授精後の生存率は従来法の90%から99%へと、受精率は従来法の70%から83%へと大きく改善されました。当クリニックで改良されたピエゾ法は高い評価を得ており、これまでに日本のみならず海外からも多くの見学者がピエゾ法の技術習得のために当クリニックを訪れています。



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凍結胚の融解胚移植

(ICSI)

1983年から荻窪病院では凍結胚の融解胚移植を実施してきました。以前は着床の可能性が十分にある形態良好な余剰胚が生じた場合にこれらを凍結保存していました。現在は、卵巣過剰刺激症候群になる可能性が高い場合やクロミッド周期で子宮内膜が厚くならない場合にも新鮮胚移植せずに全ての胚を凍結し、別の周期に融解胚移植します。

1.初めの受診時

排卵の2〜3日前に受診してください。超音波検査を行い、排卵日を予測して次回の受診日をお伝えします。

2.排卵の調節

卵の成熟とともに卵胞が大きくなったらゴナトロピン(hCG)5.000単位を筋肉注射します。

3.排卵の確認

2日後に基礎体温の上昇と超音波検査で排卵の有無を確認し、ゴナトロピン(hCG)5.000単位を筋肉注射します。(排卵が不明瞭な場合、プロゲステロンの測定をすることがあります。)

4.入院、胚移植

さらに2日後(日曜日の場合は3日後の月曜日)には、受付を済ませて午前9時までに外来に来ていただき、基礎体温の上昇と超音波検査で排卵が済んでいることを確認し、凍結胚の融解胚移植を決定・開始します。(排卵が不確実な場合、キャンセルになることもあります)

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体外受精に使用する培養液について

体外受精に使用する培養液について

2013年3月からLife Global社製およびIrvine社製の培養液を2014年8月からナカメディカル社製の培養液を使用しております。
Life Global社、Irvine社、及びナカメディカル社で製造販売されている培養液は、いずれも全国的に多くの施設で使用され良い成績が出ております。
培養液に添加するタンパク成分として、ヒト血清アルブミン(及び一部の培養液では、ヒトグロブリン)が使用されておりますが、HIV(エイズ)・B型肝炎・C型肝炎及びその他の病原体に対する感染が陰性である血液を加熱処理したうえで精製されています。また、これらのタンパク成分は製造国(ヨーロッパ、米国および日本)での薬事検査でヒトへの投与が承認されております。
しかし厳密にいえば現時点では感染症が皆無であることを検出する方法がないため、未知の感染症に感染する可能性が完全に否定されたものではないことをご説明させて頂きます。

ヒト血清アルブミンを含まない培養液をご希望の患者様には、Life Global社製のHTFもご用意しております。しかし、こちらをご使用になる場合にはご自身の血液を処理しタンパク成分のみ添加するため、採血が必要となり、別途処理料金として\10,000-を頂いております。

また、受精方法が顕微授精となる場合は、追加で\15,000-を頂いております。
なお、採卵出来なかった場合でも培養液は準備致しておりますので料金を頂いております。 上記の事をご説明させて頂いた上でLife Global社製、Irvine社製及びナカメディカル社製の培養液のいずれかを使用させて頂いております。

複数の培養液を使用している理由

どの培養液も十分良好な成績を上げておりますが、常に最良の選択を行えるよう3種類の培養液を準備しております。定期的に培養成績、妊娠率などの比較検討を行い、成績の良いものを第一選択として使用しております。

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